靖国神社に祭るべきものとは。

そもそも、靖国神社はシンボリックになりすぎているのが問題なんだろうな。戦死した軍人・軍属・徴用者専用で、かつ祭神として祭るという、土着宗教的な要素がありつつ、国家的以上な枠組みに展開しているという点がユニークといえば、そうかもしれない。その上で、国家はともかく、政治勢力がこれに関わってきている。そして「戦場死」でないA級戦犯の合祀。

オレが中国なら、中国史上3千年の間の非戦闘員含む戦没者全員を一緒に祭ってくれと、使節団を頻繁に送りつつ、中国にも同様の土着神社をつくり日本の戦没者全員を祭りはじめるのが効果的な戦略と考えるだろう。この場合、靖国神社を国家と関係あるものとは初めから認めず、したがってA級戦犯の所在については無視した形をとる*1

お祈りの最後には共産党万歳とか*2の文言も入れたりしてね。こういう冗談のある戦略が、本当はもっと必要だと思うんですよ。隔たりを超え、人を結ぶのは互いにユーモアを解せるようになってこそだと思うな。ハリウッド映画の普及が、直接政治よりもよほど、全世界の文化に影響を与えたのは、こういう点*3においてだっていうこと。

他方、国内に目を転じて、国家はともかく政権与党がマスコミなどの広報効果を考慮しつつ靖国神社に象徴的に関与してゆくということなら、オレならば、靖国神社とは別のシンボルをつくるよりも靖国神社側に非戦闘員の全戦没者の非宗教的な形式合祀を繰り返し求めてゆく運動を進める方が得策とみるな。*4



靖国神社 靖国神社 - Wikipedia

靖国神社問題 靖国神社問題 - Wikipedia


その他ご参考:

世界宗教の市場シェア獲得の要因」
http://blogs.itmedia.co.jp/mm21/2006/05/post_a15b.html

*1:そもそもまったく私的な宗教法人の趣味に法的には関与しないという発想であり、これは個人の趣味でわら人形をどうしたり、アイドルや国王の写真を祭ってたりしても他人がどうにもできないということと同じ

*2:このあたりは時世に応じて変わり行くだろう

*3:それが全面的によいことでもないとしても

*4:もしくはGHQの初期の選択案に戻って、非宗教的または多宗教的な慰霊・平和モニュメント機関のような公的法人に組み替える運動もできようが、これはすでに私法人となった団体に対しては困難。