こっちはSNSと絡めたマーケティングPIM関連。*1

 SNSプラットフォームの法人提供については、企業内ユーズ向け(コラボレーション/ナレッジシェアツール)と企業対ユーザ向け(リレーションシップ・マーケティングツール)という側面があると存じますが、オープンSNSについては、CGMやリコメンデーション親和性のあるマーケティングツールとしての側面があると存じます。いずれも運用面での可用性が、将来性の指標となると思いますが、後者では、さらにオープンなコミュニケーションメディアでの発展的な運用可用性が重要となると見ています。

 私は、汎用的でメディア親和性のあるSNSが、ソーシャルな次元(CGM集合知、コラボレーション)とパーソナルな次元(リコメンデーションやパーソナライズ、検索等の情報収集ツール、情報発信のツール)の両方にかかるものと見ております。しかし、後者におけるマーケティングツールとしての可能性がこれまでのSNSのビジネスモデルで(意識はされつつも)本質的な取り組みが少ないと見ており、ここにビジネスチャンスがあると見ております。

 電子手帳やブラックベリーではないですが、マーケティング親和性のあるSaaS型のPIM(Personal Information Manager)のようなものをSNSとのサービス接点に置くような展開をイメージしています。

 SNSの利用動線インタフェース(見た目のインタフェースだけではなく、利用目的やシーンを含めた社会・心理的な要因も含めたツールの可用性インタフェース)には、携帯ほどではないにせよ「身体的」な近接感があり、汎用的なものはリアルな人間関係の延長での利用者引き込み/囲い込みという要素もあります。SNSはネット上にありますが、リアルかつ、よりパーソナルな関係性という側面は、携帯やメールや検索エンジンのように利用頻度/習慣性/コモディティ性の高いツールとなるがあり、ここにグループのみならず、パーソナルなマーケティングの土壌があると考えます。
 オンラインPIM型の展開ではRSSサービスの外延でのカレンダーや(http://www.yumemi.co.jp/news/20060802a.html)やソーシャルカレンダーの展開(http://v.japan.cnet.com/column/select/story/0,2000067543,20223367,00.htmやグーグルカレンダーなど)がありますが、ツールとしての利用必然性/利便性や求心性が弱い場合があります。グーグルなどは別ですが、他サービス等でのソーシャル利用ベースが確保できていないケースや、個人ユーズの側面では手帳形式の必然性やユーザビリティ、リアルやデバイスの手帳との利用の重複など、いろいろな理由があるでしょう。
 オンラインツールの展開では、ネット上での「場」の求心性とリアルの「場」との兼ね合いを可処分時間/ツールの利用動線や必然性といった総合的なトポロジーを踏まえて展開可能性のシナリオ仮説を立て、これを状況に応じて可変的に検証・改善(PDCA)できる柔軟な含みのある仕組み/体制で展開する戦略が重要あると考えます。
 そして、SNSプラットフォームを基点とすることで、PIM型のパーソナルマーケティングツールとのシナジーを十分活かすことができると考えるのです。ツールとしてのPIMで私がイメージしているシナリオには、今後のフィード展開(IndividualizedRSS等)への含みがあります。SNSのプラットフォームの中でのパーソナルユーズのクローズドなエリアをPIMライクなエリアとして拡張し、フィードを流します。
 メールマーケティングがスパム感の増大のため、パーソナルな商品情報収集の媒体としてフィードに注目が集まっていますが、SNSのように関心が特化できる場では、コンテンツ連動広告や利用履歴/関心連動コンテンツ生成ページ以上に、ウェブサイトベースのRSSフィード/RDFによるマーケティングには可能性があると考えます。フィードの見出し媒体特性からかなり大量な情報を擬似プッシュでき、かつ、IE7等のリーダーへの登録と連動させれば、アクティブブックマーク兼DMという構成が実現します。
 これの何がPIMなのかといいますと、動的な情報収集&整理のツールとしての位置づけがそれです。個人情報管理の入り口としての情報収集部分(メール代替としてのフィード)、情報の整理ツールとしての(SNSと連動した)協調フィルタリングソーシャルタギング等によるIRSSリコメンデーションおよび手動管理も可能なインターフェイスなどがそれです。
 他方で汎用的なPIM(個人スケジューラー/カレンダー等の機能)ではないから必然性が薄いのでは、という想像もできますが、しかしながら、トピックまたはグループセントリックなSNSのユーズ(極端な場合はグループウェアに相当するそれ)が確立されていれば、その外延でカテゴライズされた情報の収集/プッシュ/リコメンデーションの需要はかなり強いと見ています。
 また、フィードならば、それをまとめて汎用的な個人用PIMに流し、個人用PIMにアグリゲートする(これもビジネス機会あり)という分散⇔集中収集連携型の仕組みが可能となるでしょう。
(ひいてはRDFによるコンテンツの分散オーサリング対応への含みとOWL等今後のセマンティックな技術動向への足がかりも)