オーマイニュースの見せ方について−対立軸を表出した議論醸成型の紙面構成はどうだろうか?

http://www.ohmynews.co.jp/blog/archives/2006/08/post_124.html
http://blog.japan.cnet.com/sasaki/2006/09/post_7.html

思うに、やはりパブリック・ジャーナリズムは現状のマスメディアへの疑問点から出発しているためか、社会的な問題意識をもったライターが参加しやすい仕組みではあるんだよね。この点、既成メディアよりも、広告クライアントや既成権力からの自由度が高い。


私は、立場としてはリベラル左派(競争軸の多様化と自由を容認・促進させる立場*1)なのだが、市民参加のニュースやコメンタリーの見せ方には、意図的にかつ紳士的に、多様性、対立軸を明快にして見せる紙面構成が有効だと思っている。


これは私の立場にも関係しているのだが、多様性を顕在化させるにあたって、あえて対立軸(および二元性を超える対立軸や中立軸)を表出できるプラットフォームや紙面構成を提供することが、意見の多寡に関わらずそれぞれの立場を明快に主張できる機会につながり、ひいては議論の醸成につながると思うのですよ。


ある事実の報道、そして周辺事実の報道をつなげるなかで、ジャーナリズムの真骨頂はジャーナリストとしての固有の仮説に基づく洞察とコメンタリーだと思います。さらに、パブリック・ジャーナリズムにおいてできること---それは、新聞の社説などのよう代表意見集約的なコメンタリーではなく、対立軸を浮き彫りにしながら、社会の主権者・当事者である市民がより直接的・具体的に考える契機となることなんじゃないかな。


サポートすべき対立軸は、固定的な二元論ではない。大まかな対立事項を踏まえ、この間にいろいろな意見が散在するというマッピング(対立軸への対立とかも含めて)が見えれば見えるほど、考えることが楽しくなる、そういうジャングルが必要なのだ。

・・・そういう点で、多様な対立軸(それは必ずしも敵対的というわけではない)を意識したイベント・特集的な紙面編集を望みたい。そして、ブログ・クロッシング的な広がりももった、CGJ(consumer generated journalism・・意味を消費する主体としてパブリックを位置付けるなら・・・)をみなで実現しましょう。

ブログでも2chでもない「市民新聞」とは――オーマイニュース鳥越編集長に聞く - ITmedia NEWS


ps・・・オーマイニュースが韓国発祥ということや、編集長となった鳥越俊太郎氏が2ちゃんねると対峙的なコメントをしたせいか、いろいろあったようですね。あまり昨日まで注目してみてなかったけど、昨今の日本の動向から意識したいところ。

さて、アクセスのほうはどうだろう。

ちょっとオーマイニュースのアクセスの立ち上がりが弱い?。。ビジネスの可能性としてはどうだろうか。ブログでのジャーナル的なコメンタリやRSSリーダーの展開なんかはパブリックジャーナルサイトの競合要素だろうなぁ。ブログがピーク過ぎたとかいってもそれは単に、個人HPがブログ形式に移ったピーク、というふうにオレは見ている。そして、ジャーナルとしてのブログは、まだまだ活用の発展期にあるという気がする。

まあ、いったんフィルタリングが入ることで優れたパブリック・ジャーナルのストックはできるわけで、ライブドアのPJニュースなんかのようにニュースポータルのセクションに混じってくると面白い。ただ、これもトラックバックと競合関係があるよなぁ〜。

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ところで、韓国のほうも落ちてる感じだけど、これは競合が増えたためとか?それとも早くもブログ圏にベースが移っていったということ?ピークは2003年だからそう考えると頷けるものがあるが。。。。しかしrssなどフィードのカスタム活用がポータルの復活にもつながるはずだ。見せ方の工夫はこれからだと期待しよう。

※韓国オリジナル版がhttp://ohmynews.com, インターナショナル版はhttp://english.ohmynews.com
※hatane.ne.jpは参考比較

その他、関連ブログ
批判するだけの傍観者を超えて・・・みんなで是々非々を考える場 - るいネット
口先だけで「日本のため」とか言うのは気持ち悪い。 : ひろゆき@オープンSNS
http://blog.goo.ne.jp/daewongun/e/10a2cdd21d8ece02826fc22c61dbdcdc


ちなみに、2ちゃんねるの求心力も低下傾向と思われる。alexaでみるとアクセスの水準は2001年後半のレベルに落ちているようだが。。。

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*1:したがって固定的な競争概念による勝敗や、既存システムを固定的に肯定する優勝劣敗論には反対。